医療保険、保険料のムダをはぶくための「必要保障額」を考える では、医療保険は必要保障額をカバーするのがその本質であること、そしてごく平均的な入院日数などから考えて、医療保険に頼らずに貯蓄を充実させて対応するやり方もひとつの方法...という話をしました。
しかし「必要保障額」については、もうひとつ別の視点があります。
それは必要保障額が「その時々、そして先々の状況に応じて変化していくものである」ことです。
その変化によるショックを吸収するために医療保険の活用をはかっていくことがポイント、という発想です。
子供が成長し小学・中学・高校へと進学する過程で、教育費もそれなりにかかってくる、あるいは親の介護の問題などもあるので、いつもいつも数百万円の貯蓄水準をキープできるかは不安だ。
やはり万一の備え・安心料として、いかに起きる可能性が少ないとしても、貯金から支出するのではなく、医療保険で対応するやり方でいきたい。
これももちろんひとつのスタンスで、このようなケースでは「医療費としていくらを貯蓄から回す分として設定しておくか、そして足りない部分をどのような(保険料がいくらの)医療保険でまかなうか」を考えていくことが必要となります。
加えて、自分たちの家計に関わらない部分であっても、「必要保障額の想定の変更を迫る、周囲の状況変化が起きるリスク」が存在します。
たとえば、国が公的医療に関わる社会保障費を抑制するため、政策的に健康保険の自己負担率を引き上げたり高額療養費制度の改定などを行う可能性は、そう遠くない将来に十分あり得ることです。
2008年4月からの後期高齢者医療制度の実施によって、会社が加入している健保組合の負担も増加していますが、今後も保険料率の引き上げが続いた場合には、給料から天引きされるかたちで個人負担も増え続けることになります。
高齢者医療制度「改革」で 健保の保険料値上げ相次ぐ (J-CASTニュース)
そのぶん万一の事態に備えた貯蓄や医療保険に回す余裕も、少しずつ減ってくることになるでしょう。
また、最近はいわゆる「(高度)先進医療」による治療が珍しくなくなっており、このような高度な治療を受けた場合には高い効果が期待できる反面、原則として健康保険が使えず、全額自己負担となります。
先進医療の概要について(厚生労働省)
(高度)先進医療だからといってすべて高額な医療費が発生するわけではないですし、現在のところ医療保険の先進医療特約の保険料は、どれも概して低額に設定されています。
ただし罹患する病気の種類にもよりますが、入院日数がさほど長期化しないものであっても、一日あたりの入院日額が大きくアップする可能性もあることは確かです。
このように、一口に「適切な必要保障額」といっても、自分および家族のライフプラン、高度先進医療の適用の有無、そして制度や環境の変化によって考慮すべき要素も増えてくることから、一種の「思考停止状態」となってしまって、口コミやセールストークに安易にのった選び方をしてしまうことが現実には決して珍しくないわけです。
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