医療保険に限りませんが、保険商品はどれもベースとなる「主契約」に各種の「特約」を付加していくことによってその保障内容を広げていくのが、基本の構成となっています。
ニーズに応じて必要な特約を付けられるのはたしかに便利ですが、特約を付け足していったそのぶん、支払う保険料も増えていくことになります。
「特約」はけっして主契約のオマケ的存在ではなく、保険会社は特約ごとにきちんと保険事故の起きる確率を綿密に計算したうえで、会社としての利益が確実にとれるように保険料を設定しています。
特約を多くつけられるタイプの医療保険は、利用者にとっても理解するための仕組みが複雑になりがちです。
商品の設計として、基本商品の内容をシンプルに設定しさまざまな特約でカバー範囲を広げていくタイプの商品ならば、約款には特によく目を通し、そもそもその特約が本当に必要かどうか、また想定する保障範囲を確実にカバーしているかどうかを、「重要事項説明書」や「約款」で注意深くチェックする必要があります。
ところで「約款」については、自分や家族にとってベストな医療保険を真剣に選ぼうとする場合、加入の候補となる商品間の約款を使った比較・検討を行いたいところですね。
しかし現状では、契約前に約款にもとづく比較をきちんと行うのは意外にも難しいのです。
保険会社によっては、約款を「契約と同時に」あるいは「契約後」に渡しているためです。
契約前に「約款を読みたいので送って欲しい」と請求しても、保険会社によっては断られるところもあります。
もっとも特約が多い保険商品ともなると、約款のページ数が数百ページになる場合もあります。
加入希望者の請求に応じて送っていてはコスト的に大変...という現実的な問題もあるようですが。
インターネット上で公開すれば印刷費がかからなくてよい、という声もありますが、これも約款を公開している会社(商品)もあればそうでない会社(商品)もあり、保険会社によっても対応が統一されていないのが現状です。
それでは、契約者が細かい保険内容や保険金の支払条件を確認するにはどうしたらよいかというと、通常は商品パンフレットに「重要事項説明書」が添付されているので、これを読んで判断していくことになります。
「重要事項説明書」は、通常はパンフレット内において「ご契約のしおり(重要事項説明書)」「ご契約に際しての重要事項(注意喚起事項)」といったタイトルで、細かい文字で記載されています。
ただしいかに細かくまた読みにくく書かれてあろうとも、医療保険に加入するにあたって熟読すべきは、パンフレット本体よりもむしろこの「重要事項説明書」であることは、肝に銘じておく必要があります。
とりわけ加入を考える商品に付けることのできる「特約」の部分については、「支払事由」「支払限度額」「お支払いできない場合」が「重要事項説明書」内に記載されていますので、よく確認するようにします。
また、重要事項説明書に記載されている特約は「主なものであって、すべてではない」という点にも、注意しておきましょう。
主契約に付けることが可能な特約が他にあったとしても、重要事項説明書では特約の名前だけを記して「くわしくはパンフレットでご確認ください」などと書かれているために、実質的に契約者側が踏み込んで調べられない場合が多くあります。
こういう場合は、パンフレット記載の問い合わせ先(保険代理店)などに連絡して、詳細を問い合わせるしかありません。
ただし「細かいご説明に伺いたいので、ぜひご連絡先を」などと、その機に乗じて営業をかけられることも珍しくありませんので、その点は注意しておきましょう。
最近は特約が多く用意されている商品は「仕組みが複雑すぎる」として敬遠する方も増えているようですが、大切なのは単に特約を遠ざけることではなく、その内容をよく知ったうえで、特約が必要なのかあるいは不要なのかを、自分の問題として決めていくことです。
約款を求めたときににべもなく拒絶されたり、あるいは重要事項にかかわる不明点の説明が不十分な保険会社の商品は、加入の選択肢から外していけばよいだけのことです。
その特約のメリットとデメリットについて納得したうえで、必要な特約を主契約につけて加入したほうが、結果的にオール・イン・ワン型の商品よりも支払保険料が安くすむケースもあります。
医療保険のネット販売・対面販売、それぞれのメリットと注意点 でもご説明したとおり、いったん契約書に判をついてしまうと、「契約の内容と、重要事項説明書や約款の記載をすべて理解し、納得して契約した」とみなされることになります。
いざ保険金の支払手続という段階になったとき、忘れていたこの前提が突然はっきりと姿を現すことになるのです。
何よりも「まず自分が商品の内容を理解し、そして判断する」「保険代理店や営業マンなど他人任せにしない」ことこそが、いまや医療保険の選び方におけるスタンダートとなっていることは、ぜひ肝に銘じておきたいものですね。
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